今回のクイズは「地球の謎」です。
「その条件では、できるはずがない」
仕事でそう思ったとき、条件そのものではなく、自分が置いている前提が可能性を狭めていることがあります。
クイズ「バイアスブレイク」は、そんな思考のクセに気づくためのシリーズです。今回は、地球上のある不思議な場所を探してみましょう。
今回の問題はなんと、昔マイクロソフトの採用試験で出題されたことがあるそうです。頑張って考えてくださいね!
問題「地球の謎」
ある地点から、南へ1km、東へ1km、北へ1km進むと、元の地点に戻りました。
さて、その地点は地球上のどこでしょう?
答えは、ひとつとは限りません。まずは思いついた場所と、その理由を考えてみてください。
※ 地球を球体とみなし、地表に沿って移動するものとします。南北は経線に沿い、東は同じ緯度を保って進みます。地形や海の有無は考えません。

コーチ南へ行って、東へ行って、北へ……。
東へ進んだ分だけ、出発点からずれてしまいそうですね。
ヒントと答え
必要なところを開いて、順番に考えてみてください。
ヒントを見る
紙の上で、下・右・上と線を引いていませんか?
舞台は地球です。平らな地図から、丸い地球儀へ視点を変えてみましょう。
地球儀の経線は、どこで集まっているでしょうか。
答え①はこちら
ひとつめの答えは「北極点」
答えのひとつは、北極点です。
北極点から南へ1km進みます。そこから同じ緯度を保って東へ1km進んでも、北極点までの距離は変わりません。
最後に北へ1km進めば、出発点の北極点に戻ります。





なるほど! 平面で考えていたから、戻れないと思ったんですね。
これで正解……でしょうか?
北極点は正解です。ただし、これで終わりではありません。
ほかにも条件を満たす地点があります。次のヒントを開く前に、もう少し考えてみましょう。
もうひとつのヒントを見る
南極点そのものでは?
北極点の反対側にある、南極点が気になりますね。
しかし、南極点から離れる方向はすべて北です。南極点そのものからは、最初の「南へ1km」を進めません。


では、出発点を南極点から少し離してみたらどうでしょう。
東へ1km進んだとき、ぐるりと一周して同じ場所に戻れる小さな緯線を考えてみてください。
答え②と解説はこちら
南極の近くにも、答えは無数にある
もうひとつの答えは、南へ1km進んだ先に「一周1kmの緯線」がある地点です。
南極点から、1kmより少し北にある場所になります。
出発点をA、南へ1km進んだ地点をBとしましょう。
Bを通る緯線の周長がちょうど1kmなら、東へ1km進むと南極点の周りを一周し、Bに戻ります。あとは来た道を北へ1km進めば、出発点Aに到着します。


この条件を満たす出発点は、同じ緯度の円周上にいくつも取れます。地点を連続的に考えれば、答えは無限にあります。
一周でなくても成立する
さらに、Bを通る緯線の周長が0.5kmなら、東へ1kmで2周。周長が1/3kmなら、3周してBに戻れます。
つまり、周長が「1/n km」(nは1以上の整数)となる緯線から、北へ1kmの地点も答えです。
「南極から1kmちょっとなら、どこでもよい」というわけではありません。南へ1km進んだ先で、東への1kmがちょうど整数周になることが条件です。



「北極点がわかったから終わり」と思っていました。
答えがひとつ見つかると、そこで考えるのを止めてしまうんですね。
仕事でも、前提と「最初の答え」を見直す
いかがでしたか?
このクイズでは、「平面の上を移動する」という思い込みと、「答えはひとつ」という思い込みが、考える範囲を狭めていました。
仕事でも、「予算が足りないから難しい」「前に試して失敗した」と、慣れた前提のまま結論を出すことがあります。そんなときは、「それは問題に書かれた条件か、自分が付け加えた条件か?」と問い直してみてください。
また、会議で実現できそうな案がひとつ出たあとに、「ほかのやり方でも、この条件を満たせないか?」と考えると、選択肢が広がるかもしれません。
研修やチームの対話で使うなら、正解したかどうかに加えて、「最初にどんな図を思い浮かべたか」「どの時点で考えるのを止めたか」を共有してみましょう。自分では気づきにくい思考のクセを、言葉にするきっかけになります。
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